ON THE BIONOMICS OF THRIPOCTENUS BRUI VUILLET, A PARASITE OF THRIPS TABACI LIND., IN JAPAN (II)
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概要
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寄生蜂Thripoctenus brui VUILLETは東京, 京城附近及び琉球3島に分布し, Thrips tabaci LIND.(主寄主)Tacniothrips alliorum PR.及びThrips abdominalis CWFD.に寄生す。以上3地方にてそれへの重寄生又は共寄生を見す。成蟲期間は約20日にして, 雌雄の比は3 : 2なり。被受精不産卵の雌1頭より平均約40の幼卵をその死後摘出せり。例外として多寄生をなせども完寄生の事實を見す。卵∿幼蟲期間は7∿14日, 蛹期間は13∿27日, 前産卵期間は1∿2日にして, 1世代を平均夏期は23.7日秋期は38.8日にて終る。此寄生蜂は體内寄生をなし, 寄主の幼小なる幼蟲に産卵し, 寄主の前蛹期中に蛹化す。寄主の前蛹化する少し前までの期間中に産卵せられたる寄生蟲は完全に蛹化し得れども, それ以後の期間中(前蛹∿蛹期を含む)に産卵せられたるものは, それ自身蛹化し得る以前に寄主を斃死せしむ。但し寄主の羽化後に孵化せる場合は, 寄主の成蟲體内に長らく棲息し得れども, それ自身蛹化し得ず。又かかる寄主はその成蟲期間を短縮させられ, 産卵せず。蛹態にて越冬せる寄生蜂は五月下旬羽化し, 秋までに4世代を經過す。或るものは第5世代を經て越冬に入る。十月下旬又は十一月上旬以後は寄生せられし寄主幼蟲を見ず。但し寄主は冬期中越冬状態に入らず。寄生蜂の活動期中その前半期間は寄生蟲の個體群, 寄主のそれに比し大ならず, 後者のそれを効果的に減少せしめ得ず。後半期間に於ては, 氣象其他の致死條件と共に寄主の個體群を大いに減少せしむ。本寄生蜂はハワイに土着する十分なる可能性を有し, 少くとも寄主の個體群大なる場合それの低減に効果あらん。
- 1937-12-20
著者
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