赤眼卵蜂 (Trichogramma australicum GIRAULT) の二、三の生態に關する觀察
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概要
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本實驗は昭和7年11月より8年3月に亘り糖業試驗所元新化試驗地にて、主として實驗室に於て為されたもので要約すれば次の如くである。1. 赤眼卵蜂は宿主卵の孵化前日に至るも寄生す。2. 1宿主卵に對し数頭寄生し羽化することあれども、其れ等より羽化せる成蟲は宿主卵1粒に對する寄生頭数の多きもの程寄生力は減退する。3. 羽化當日の寄生率は總寄生数の17%餘を占め翌日より急減する。4. 赤眼卵蜂は宿主の不授精卵にも容易に寄生し發育して成蟲となるが、此の成蟲の寄生力は授精卵にて發育せる成蟲に比し著しく劣る。5. 赤眼卵蜂は處女生殖を行ひ、羽化せる成蟲は悉く雄である。6. 羽化歩合は平均65.2%で羽化せざるものには雄多し。7. 赤眼卵蜂の雌は時々産卵管に依り開けたる孔より卵の内容物を攝取する。
- 1934-06-30