僧帽弁膜症における左室心筋組織像 : 左心機能との関連について
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概要
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僧帽弁狭窄症(MS)29例僧帽弁閉鎖不全症(MR)15例に対し,術中左室自由壁より心筋生検を行い間質の線維化度(%FIBROSIS)心筋径を計測し左心機能との関連を検討した。MS群:心筋径は正常(<18μm). %FIBROSISは4-26%で病悩期間と正の相関,術前後の%FS,mVcfとの聞に負の相関が認められた。MR群:心筋径は軽度肥大。%FIBROSISは6-17%で術前の%FS,mVcfとの間に負の相関を認めた。とくにMS群で%FIBROSIS23%以上を呈した3例中2例で術後LOSに陥り1例はIABP,長期カテコラミンを必要とし他の1例はIABPも無効で両心補助をおこなったが遂に救命しえなかった。僧帽弁膜症の中には左室に高度線維化を認める症例が少数ながら存在し,左室収縮機能,術後経過,予後に影響を及ぼすと考えられた。
- 神戸大学の論文