ハクサイ(Brassica rapa L. var. pekinensis Rupr.)の結球初期にみられる光照射に依存しない自律的な葉の立ち上がり
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概要
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ハクサイ(Brassica rapa L. var. pekinensis Rupr.)の結球に必要な中肋基部の屈曲に及ぼす光照射の影響を, 二重円錐台モデルによって示される, 葉の成長に伴う「自律的な屈曲」を考慮することにより再検討した.結球前の若い個体では, 暗黒処理によって中肋基部が向軸側に屈曲した.この屈曲は, 二重円錐台モデルでシミュレーションできず, 自律的な屈曲とは異なる要因によって起こっていた.これに対して, 結球初期には, 明光下で, 二重円錐台モデルによってシミュレーションされる自律的な屈曲が最上位の成葉に起こった.最上位の成葉の背軸面の光強度は, 結球前の若い個体よりも, 結球初期の個体でむしろ高くなった.さらに, 結球初期には, 暗処理および明処理によって最上位の成葉における中肋基部の屈曲角度が変化しなかった.以上から, ハクサイの結球初期に見られる中肋基部の屈曲は, 上位の葉が外側の葉によって遮光されることによって誘導されるのではなく, 葉の成長に伴って自律的に誘導されることが示唆された.
- 2006-01-15
著者
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