動物実験モデルにおける先天性水頭症の発生病態の解析 : 遺伝性水頭症ラットLEW/Jmsと6-aminonicotinamide誘発外因性水頭症ラットの胎生期比較形態学的検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
実験先天性水頭症モデルの病因,病態を検索し,ヒトの先天性水頭症における病態を考察した。実験モデルとして,遺伝形式をとるものとして水頭症ラットLEW/Jms系を,胎生期における薬剤投与によるモデルとして6-aminonicotinamide(6-AN)誘発水頭症ラットを用いた。両モデルともに胎生期における病理形態学的側面を検索した。その結果,先天性水頭症ラットLEW/Jmsでは一次的な中脳水道狭窄が原因と考えられた。6-AN誘発先天性水頭症ラットでは,細胞のdysgenesisにひきつづいておとる第4脳室流出口の通過障害が水頭症の原因と考えられた。さらに詳しい形態学的観察により,LEW/Jmsはヒトの伴性劣性遺伝形式をとる先天性水頭症に,また6-AN誘発先天性水頭症ラットはDandy-Walker症候群に類似することが示され,ヒトのこれらの病態の解明に寄与するものと考えられた。
- 神戸大学の論文