放射線治療における皮膚照準マークの研究(原著)

概要

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放射線治療における治療患者への線量投与の正確さは厳しく要求され. ICRUレポート24に記述されている.その国際的にも同意が得られている放射線治療における許容線量誤差(信頼限界95%)は,出力線量で2.5%,標的の線量計算で3%(ただし,不均質部は除く),総合で5%である.一方,幾何学的な許容誤差は,装置の機械的変位で5mm.標的のセットアップと位置および患者の動きで8mm.総合許容誤差は10mmである.放射線治療照準皮膚マーク(以下皮膚マークとする)の精度もここに合まれ,放射線治療外部照射にとって欠かすことのできない重要なものである.全治療期間を通して,皮膚マークの保存の程度,すなわち皮膚マークの落ちにくさの程度が放射線治療全体の精度に影響すると考えられる.一般的に皮膚マークは,シミュレーション時に照射野そのもの,あるいは位置合わせの基準となるポインタの投影される位置を,皮膚の上に油性サインペン等で書くことが多い.例外的にシェルなどの固定具を用いてその上に印を記入することがあるが,皮膚マークの頻度は高い.この皮膚マークは患者に必要性を十分に説明し,納得してもらうことが必要である.皮膚マークは治療終了時まで絶対消さないよう説明しておき,特に洗顔,入浴の際に消えないように注意し,消えかかってきた場合も自分で勝手に皮膚マークを付け直さないように指導する必要がある.また,皮膚マークが人目にさらされる場合に生じる羞恥心等の放射線治療患者に対するペーシェントケアの問題点は多い.ここで問題になる皮膚マーク保存の対策として油性サインペンの印の上に紙粘着テープを貼ったり,プラスチック包帯材を印の上にスプレーしたり,もしくは市販されている放射線治療専用皮膚マーク製品を使用する等の対策が行われている.われわれはこの皮膚マーク保存のための工夫および放射線治療専用皮膚マーク製品の有効性を確認するためにそれらの比較検討を行った.
社団法人日本放射線技術学会の論文
2003-10-20

放射線治療における皮膚照準マークの研究(原著)

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