熔接の X 線透過試驗に就いて
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概要
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熔接のX線透過写真の判定上基礎となるべきX線透過写真の缺陷検出能力及びX線透過写真と諸機械的性質との關係を明かにするため板厚12mm及び25mmの2種の鋼板を用ひ被覆電極棒にて衝合熔接を行ひ, 先づX線透過試驗にて缺陷を檢出し然る後機械的試驗を行ひその結果に關し種々考察した。試驗結果を要約すれば次の如くである。1.X線透過試驗の缺陷檢出能力に就いて(1)氣泡及び熔滓は充分檢出可能である。(2)底に於ける熔着不良は一般に檢出可能であるが檢出不可能の場合もある故充分の注意を要す。(3)熔着金屬と母材の熔着不良は氣泡或は熔滓の含有を伴ふ場合検出可能であるが檢出し得ざる場合もある故充分の注意を要す。(4)線状組織は檢出不可能である。2.X線透過写真と機械的性質の關係に就いて(1)底に於ける熔着不良及び母材と熔着金屬との熔着不良は機械的性質を著しく弱める。(2)氣泡及び熔滓の機械的性質に及ぼす影響は抗張力及び有溝衝撃値を低下せしめること著しくないが屈曲延伸率及び疲勞強度(繰返衝撃値, 繰返捩り強度)を著しく低下せしめる。
- 1942-12-25