熔接部收縮による板の變形に關する一考察
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概要
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熔接を行へば必ず殘留歪と内力の問題が伴ひ, これ等に關しては既に多くの研究があるが殘された分野も相當に多い。板の局部的な熔接收縮が原因となつてこれより離れた板の部分に意外に大なる撓みを生ずる事實は特に薄板の場合に屡々経驗するところであるが, 筆者は簡單なる假定の下に熔接される板の長さ, 熔接部の收縮と板の最大撓みとの間の關係を表はす式を誘導し, これを圓形底板をもつタンクの場合に適用してその外周圓周方向の收縮量を求めることが出來た。かくして得た値と別に圓板周圍熔接による撓みの現象を利用して得られた熔接部附近の塑性變形範圍の幅の値とを知つて, この場合の殘留内力に對して或程度の考察を試みた。考へ方としては頗る單純なるものではあるが, これにより極めて小なる板の局部收縮が意想外に大なる母板の撓みの原因となることを知り, 簡單なる熔接の場合には撓みと板の大いさとを知ることにより, 微小なる熔接部の收縮量を精密測定器を用ふる必要なしに計算から求め得られ, 少しく複雜せる場合には同様計算によつてその間の概念を得ることが出來る。
- 社団法人溶接学会の論文
- 1942-01-25
著者
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