自動車排気系部品用ステンレス鋼溶接材料(<特集>環境対応材料の現状と課題(III) : 自動車排気系)
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概要
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自動車排気系が燃費向上と排ガス中の有害成分ならびに騒音の低減に大きな役割を担っていることは周知の通りであるが,近年では,地球環境保全に対する自動車産業での取組みがクローズアップされるなか,温室ガスであるCO_2やNO_x排出削減の解決手段として注目されている.とりわけ,エンジン性能と排ガス浄化への影響度が大きな排気マニホールドと触媒コンバータの高性能化が求められており,また1980年代後半に鋳物製からステンレス製溶接構造物へと変遷してからは,その溶接品質がこれら装置の特性を支配するキーワードとなっている.そのため,それを支える溶接材料も「環境対応材料」として位置付けられ,使用条件と被溶接物の変化に適合した溶接材料の高度化が求められている.排気系部品の溶接材料としては,被溶接物の材質も多様かつ複雑化してきているが,基本的にはフェライトステンレス鋼を主流とすることから,大別してオーステナイト系とフェライト系のステンレス鋼溶接ワイヤが多用されている.フェライト系溶接ワイヤについては,組成や形態の異なる幾種かのワイヤが開発・商品化されているなかで,国内では430系ワイヤが普及している.近年では,特に430系フラックス入りワイヤが排気系溶接に有用な溶接材料として注目を集めている.本稿では,このような背景から,排気システムの上流部品の溶接に焦点を絞り,代表的な溶接材料の現状と課題について,その溶接金属のマクロ的組織の特徴を紹介しながら,概説する.
- 2003-10-05
著者
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