バラルリサルハムシに関する研究(第 1 報) : 習性及び生活史に就いて
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概要
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(1)年1回の発生で, 成虫は福岡及び鹿児島の平地に於ては4∿6月にわたつて出現し, クリ, バラ等を食し, 卵を母虫の糞で包被して地上に落下させる.16∿36日を経て孵化した幼虫は糞殼を拡張して成長し, 4回程脱皮を行い, 年内に老熟して幼虫体で越多し, 3∿4月に糞殼の口を閉鎖して蛹化する.(2)糞殼拡張の機構は自己の排泄物を糞殼の開口部にとりつけることによつて長さを増し, 幅の拡大は糞殼の腹部正中線に沿つて内部から新しい糞を押し出すことによつてなされる.(3)野外に於ける幼虫の棲息場所及び食性は不明であるが, 室内ではバラ, キイチゴ, クリの新鮮なものであると枯死したものであるとを問はず, 葉や莖の皮部を食して完全に成長する.
- 日本昆虫学会の論文
- 1953-10-25