資源開発業務からみた応用地質調査(<特集>「現場の教訓-継承したい貴重な事例-」)
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概要
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資源開発は資源探査から始まる.資源探査と応用地質調査はその技術と目的に関して多くの共通点を有しているので, 両分野はもっと緊密に協力して行かなければならない.応用地質調査で用いられている技法と知識の中で, とくに地震探査, 岩石力学に基づいた断層・裂か系の数値解析, 岩盤分類, 地下水水理学は資源探査に対しても重要な役割を演じる.その逆に, 資源探査技術の応用地質調査への適用は地表・地下の地質調査, 物理探査・地化学探査, ボーリング, 変質帯調査等において最も有用である.今日, 土木建設の規模が大きくなり, かつて鉱山地質学の分野で必要とされた地下の地質データが応用地質調査の分野でもますます重要になりつつある.このように両者の間に密接な関係があるので, 地質技術者の中で比較的若い時期にこれら2つの技術を習得した者は, どちらか1つに習熟した者よりも広い視野が得られるであろうという点を, とくに強調しておきたい.また, 地球を相手とする両分野のうちどちらかに従事する場合でも, 今後は地球環境問題を含む環境予測をシステム論的に実行することが重要である.
- 2000-02-10