隠れマルコフモデルを用いた筆順と画数に制限のないオンライン手書き漢字認識手法
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概要
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音声認識の分野で盛んに用いられている隠れマルコフモデル(hidden Markov model,HMM)は,オンライン手書き文字認識にも応用されている.HMMを用いた認識手法は画数の変動に強いことから,日本語続け字認識にも応用が試みられている.この手法では,タブレット上のペンの位置から適当な特徴量を求め,その時系列を一方向性HMMでモデル化している.したがって,辞書作成時には,筆順の異なる文字が混在したデータを用いることができない,という問題が生じる.認識時には,辞書に登録してある文字とは異なる筆順を持つ文字が入力されると,誤認識してしまうという問題が生じる.これらの問題を解決するために,本論文では,時間順に並んだ特徴量を,タブレット上の垂直方向,あるいは水平方向に並べ直し,これをHMMでモデル化することを試みる.この手法は,定性的には筆順および画数に制限のない認識手法になる.漢字に対する認識実験を行ない,本手法の有効性を示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-09-05