短波用LPCボコーダの開発
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概要
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短波帯という伝送路はフェージング、混信により不安定であり、帯域3kGHz以下という電波法上の制約からモデムの高速化も望めない条件下にある。この様な短波帯に適応する音声CODECを開発する場合には誤り耐性等を考慮して極低ビットレート化が必須となる。そこで、最もビット割当数の多い線形予測係数にベクトル量子化を用い、分析区間を長く取ることによりビットレートの低減を図ったが、分析区間(フレーム)の長期化はフレーム内の時間変化を捉えにくく、高ピッチの音声については音源モデルとのズレ等により音質の劣化が大きくなると言う問題が発生した。今回報告する方式は、合成処理においてスムージングを行った後のピッチ周期に同期して、LSP(線スペクトル対)係数、フレームパワーを線形補間することでスペクトル包絡の時間変化を表現し、1kbps以下の極低ビットレートながら2.4kbpsのLPC-10と同程度の音質を得ることができた。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-09-05