PHSにおけるH.223 Annex A多重化プロトコルのメディア同期性能

概要

論文の詳細を見る
近年, PHSによるマルチメディア情報の伝送に対する要求が高まっている. PHSのような無線通信環境では, 誤り制御が必要である. そこで, ARQを適用すると伝送誤りによって生じる再送が, 各メディアの時間関係を乱してしまう. このため, これを維持するメディア同期制御が必要となる. この問題に関しては, これまでPHSによる蓄積メディア伝送時の性能評価が行われている. マルチメディア情報を伝送する際, それぞれのメディア毎に通信チャネルを設ける方式と, 一つの通信チャネルで複数のメディアを多重化して送信する方式がある. [2]は, PHSの一つの通信チャネルに, 低ビットレートマルチメディア通信用多重化プロトコルITU-T H.223 Annex Aを適用した場合を検討している. しかし, メディアとしてビデオのみが取り扱われており, メディア同期性能についての検討は全く行われていない. そこで, 本稿では, PHSの一つの通信チャネルにH.223 Annex Aを適用し, 音声とビデオをライブ伝送する場合のメディア同期性能を, シミュレーションにより評価する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-08-13