伝搬損の空間相関性がソフトハンドオフに与える影響に関する検討
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概要
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CDMAセルラーシステムの各移動局は、常に最小伝搬損となる基地局と接続し、かつ送信電力制御を行うことにより、他セルヘ与える干渉を最小に抑える必要がある。この要請に応えるには、伝搬損の変動に伴って交替する最小伝搬損基地局へ瞬時にハンドオフが可能な回線制御が必要とされる。現実には、新たな基地局との接続処理にある程度の時間を要するため、この期間の伝搬損の変動に備えるために複数の基地局との同時接続を行う手法が用いられる。ソフトハンドオフと呼ばれる本手法は、サイトダイバーシチを併用できる利点がある反面、複数の基地局が交信に当たらねばならないためにネットワークにかかる負荷が増加する欠点もある。ソフトハンドオフに必要な基地局数については、シャドウイングの標準偏差との関係を調べた文献は多い。しかし、伝搬損の空間相関性の影響も無視できないと考えられる。すなわち、アンテナ高が低くビルが密集する都市部のような空間相関が低い伝搬環境では、伝搬損が高速に変動し、より多くの同時接続基地局数が必要となる。本稿は、伝搬損の空間相関性とソフトハンドオフに必要な基地局数との関係を計算機シミュレーションにより調べている。
- 1997-08-13