無線パケット通信におけるハンドオーバ方式の提案
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概要
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デジタル技術の進展や端末の小型化により移動通信がより身近な通信手段となりつつあるが、第2世代コードレス電話システムの開発によりパーソナル通信の流れはさらに加速されるものと予想される。一方、マルチメディア化により音声だけではなく、データや画像通信に対するニーズも高まってきている。現在、自動車・携帯電話において回線交換をベースにモデムによるデータ通信が行われているが、国内では全国規模の無線パケット端末によるデータ通信は行われていない。無線パケット通信における課題の一つにハンドオーバの実現がある。これは通信を維侍したままチャネルを切り替える機能で、端末の通信中の移動をサポートする上では必須の機能である。パケット通信ではデータ転送フェーズに移行しても呼の状態が変化し、網側も端末側もこの状態を意識しながら呼制御を行っているため、単純に物理的な通信回線を切り替えるだけではプロトコル不整合をおこして切断されてしまう。また、相手端末からのデータパヶットを新しいセルに移動した端末に転送するには、通信相手を収容するパケット交換機のパケッ ト転送先を変更しなければならず、交換機にまたがる制御が必要になる。以上のように無線パケット通信においては高度なプロトコルを有するがゆえにハンドオーバを実現することは容易ではない。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-09-26