低アンテナ高屋外電波伝搬における伝搬損失推定システム
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概要
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周波数の利用効率をあげること及び無線機の小形軽量化を図ることを主目的に基地局のアンテナの高さを周囲の建物の高さと同等あるいはそれ以下にし,無線ゾーン半径を数百メートルにしたマイクロセル方式の研究開発が進められている。このようなマイクロセル方式においては,基地局の数は従来の基地局のアンテナが高い場合に比べて極端に多くなる。このため計算機による詳細なゾーン設計及び置局設計が重要な課題の一つである。地物情報を基に計算機を用いて伝搬損失を推定するシステムとしては,基地局のアンテナが高い場合については既に報告されている。しかし,基地局のアンテナが低いマイクロセル方式では,伝搬損失は地物の影響をより強く受ける。また,マイクロセル方式では無線ゾーン半径が大きいものに比べてより高い推定精度が要求される。さらに,住宅街ではビル街に比べて建物も低く,木造の建物も多くなる。従ってこのようなことから低アンテナ高伝搬において適用範囲の広い,高精度の損失推定システムを得るには,従来の基地局のアンテナが高い場合のような単一の伝搬路ではなく,建物を透過する伝搬路,道路に沿った伝搬路,建物越えの伝搬路等の複数の伝搬路を考慮しなけれぱならないことになる。本稿で述べる地物情報を基にした計算機による伝搬損失推定システムは各伝搬路に対応した建物透過波,道路伝搬波,建物回析波の3波を考慮し,適用範囲の拡大と推定精度の向上を図ったものである。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-09-26
著者
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