ATM網におけるリアルタイム画像データ転送に関する検討
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概要
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近年、デジタルネットワークを用いてノンリニア編集機、ビデオサーバ等を接続し、ニュース統合システムを構築することが考えられている。本稿では、各機器の接続にATM網を用い、その上で画像情報などのリアルタイム性の高いデータ転送を行うことについて考える。圧縮画像をリアルタイム転送する場合、特にライブの記録においては、データの誤りは致命的な影響を与える。そのため、このようなデータ転送では、再送制御機能を有する方式を採用する等の対策が必要不可欠である。ATM網では、データをセルに分割して転送するが、回線上で輻輳や誤りが発生するとセルは廃棄され、データが失われてしまう。失われたデータを保証するために、ATM上にTCP/IPを実装する方式が一般にとられている。一方、ATM網では、シグナリングメッセージの再送制御機能としてSSCOP(Service Specific Connection Oriented Protocol)が規格化されている。本稿では、LANプロトコルとして一般的なTCP/IPよりも、SSCOPの方が、画像のリアルタイムデータ転送に適していることを示す。さらに、これを実証するため、PCIバス対応のATMカードを試作した。その測定結果についても報告する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-09-18