孔内打撃応答試験機の適用性に関する検討

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現在、地表や調査横坑における簡易かつ定量的な岩盤評価の手法として、ロックテストハンマー(ロックシュミットハンマーとも呼ばれている)や簡易弾性波測定器などが挙げられる。このうちロックテストハンマーは岩盤の固密性を反発度で表現するものであり、この値から岩盤の変形係数、静弾性係数を簡易に推定することができ、原子力サイトおよび大容量鉄塔基礎の調査など現在建設関連の調査において広く実用化されている^1)。しかしながら、このロックテストハンマーは、地表や調査横坑などの岩盤が露出している部分においては適用可能であるが、比較的乱されない状態の岩盤の工学的特性を把握すると同時に広い範囲の岩盤の工学的特性を把握する上で有効なボーリングの孔内では適用が不可能である。このような実状から、ロックテストハンマーの原理をボーリング孔に適用することを目的とし、「孔内打撃応答試験機」(写真-1)が考案・開発された^2)。本試験機は、ボーリング孔の孔壁を小型の電磁ハンマーで打撃し、その際の反発度から岩盤の物性値を推定するものであり、均質な人工材料および岩石供試体を用いた室内試験において、本試験機による測定値と各種物性値との相関性が検証されている。しかしながら、原位置における本試験機による測定実績は極めて少なく、岩盤の各物性値との対応性が検証されていないため、完全な実用化には至っていない。本研究においては、数種類の岩盤およびダムの堤体コンクリートにおいて本試験を多数行うと同時に、同一箇所で孔内水平載荷試験を実施し、打撃応答量と変形係数ならびに静弾性係数とを比較することによって、孔内打撃応答試験機の原位置における適用性の検討を行った。
一般社団法人日本応用地質学会の論文
1995-04-10

孔内打撃応答試験機の適用性に関する検討

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