貯水池内の堆砂の堆積とその対策"佐久間ダムの例"
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概要
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筆者らは,佐久間ダム貯水池について堆砂形成のメカニズムと対策例について報告した.本貯水池は建設後45年を経て,総貯水容量3.26×10^8m^3に対し約30%が堆砂で埋められている.最近10年間の堆砂量は140万m^3/年と比較的安定し,年間の堆砂量は最大洪水流量と密接に関係している.堆砂デルタには上下二つの形成過程が見られ,下部デルタ形成後に,それを被うように上部デルタが堆積している.その形成は貯水池の水位操作と密接に関係することがわかった.上下デルタの表層部には厚さ数mのシルト層が堆積しており,下部のシルト層は下部デルタ堆積後に貯水位が上昇した時期に形成されたと考えられる.当貯水池の堆砂は比較的細粒であるため,コンクリート骨材に利用できる可能量を推定するには粗い砂粒子の分布量が重要である.当貯水池の堆砂対策は,フラッシングによる湖内移送,浚渫船による湖内移送および湖外搬出を行っている.湖外搬出はコンクリート骨材等として集中的に採取されてきたが,その影響で偏った堆砂の粒度分布が見られる.
- 一般社団法人日本応用地質学会の論文
- 2002-12-10
著者
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菊地 輝行
Kaihatu-sekkei Consultants Co. Ltd.
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茶石 貴夫
Kaihatu-sekkei Consultants Co.,Ltd.
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前田 修一
Electric Power Development Co.,Ltd.
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前田 修一
Electric Power Development Co. Ltd.
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茶石 貴夫
Kaihatu-sekkei Consultants Co. Ltd.