CRTにおける磁気シールド材の磁気特性と地磁気ドリフト
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概要
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CRTではその管内に,内部磁気シールド(IMS:Inner Magnetic Shield),フレーム,色選別機構であるアパーチャーグリルといった軟磁性体から成る磁気シールドが構成されており, これによって地磁気によるミスランディングドリフトを抑制している.磁気シールドを構成する各磁性体は,始動時に交流減衰磁界によって消磁が行われるのが一般的である. この交流消磁過程を非履歴磁化過程としてとらえ,その特性を磁化過程のシミュレーションによって解析した. この結果を検証するため,非履歴磁化を測定する方法を考案し,各種のシールド材の非履歴磁化を測定検討した(実際には磁束密度を測定).測定結果がシミュレーションの予測結果と良く一致することを示し, これまで不明確であった交流消磁後の磁気シールド材の実効的な透磁率が,非履歴透磁率として,定量的に表現できることを示した.更に,IMSの非履歴透磁率と地磁気ドリフトとの関係をシミュレーションと実験によって調べ,非履歴透磁率が地磁気ドリフトの磁気的な基本パラメータであることを示した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-06-25