TiN_<0.4>合金ターゲットにより形成したスパッタTiN膜の評価とそのコンタクトへの適用
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概要
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LSIの配線に用いる耐熱性に優れたバリヤメタルの形成方法の開発を目標に,TiリッチなTiN_<0.4>合金ターゲットのスパッタリングにより堆積した膜(以下この膜をTiN_<(0.4)>膜と記す)の窒化法を検討した.この方法により形成された膜の膜質,および,AI合金/Siコンタクトのバリヤメタルとして適用した場合の電気特性を評価した.その結果,従来のTi膜の窒化法に比べ,2倍以上厚いTiN層と,1/5程度の薄いシリサイド層からなる凹凸の少ないTiN/TiSi_2積層膜が得られた.TiN_<(0.4)>(50nm)/Siの窒化により形成されるTiN層は粒径10nm程度で強いTiN(200)配向を示すこと,シリサイド層は粒径50nm程度で準安定相が形成されやすいことがわかった.コンタクト抵抗はTi膜の窒化法に比べ,N^+では同程度,P^+では若干低く,RTN温度700℃近傍に極小値をもつこと,および,熱処理に対する安定性に優れていることがわかった.また,N^+/P接合の耐熱性も,Ti膜の場合には450℃のポストアニールでリークが発生するのに対し,TiN_<(0.4)>膜を用いた場合は525℃のアニール後でも劣化はほとんどみられなかった.これらの優れた熱的安定性は厚く形成されるTiN膜によるものと考えられる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-05-25