文書要約戦略の要約者依存性に関する実験的考察
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概要
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この研究では、人間による要約文の多様性の分類を試みた。要約率の違いと個人差とに注目をし、140名の学生から2種の要約率の要約を収集しクラスター分析を行った。その結果、原文中のある特定の部分が多くの要約者の要約に現れることが観察された。そこで、原文のこの部分を「核」と名づけた。また、要約の作成の多様性は、要約文作成の「核」となる部分の選択方法の違いを反映したものであることが観察された。要約率が低くなると被験者間の要約に取り込む文節のばらつきが減り、より明確に「核」の選択のパターンが現れることが観察された。コアの分布と従来の自動要約作成の方法との関連の分析では、コアが従来の抽出部分にほぼ対応していることが観察された。更に、クラスタごとの「核」の選択の違いは、それらの要因の強さの違いである可能性が観察された。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2001-05-11