TL2000-8 成人学習者における第二言語(外国語)の習得モデル
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概要
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日本語を第一言語とする成人英語学習者の複合WH(WH+名詞句)疑問文の観察的データを例にとって、チョムスキー(1965、1981)の普遍文法(universal Grammar)に基づく成人第二言語習得の3つのモデルを検証する。日本語と英語では複合WH句からのWH句の左枝分かれ(left branch、LB、Ross 1986)違反のパターンが異なるが、英語習熟度の低い成人学習者の発話には、両言語のどちらにもあてはまらないパターンが現れる。この観察からは、成人の言語習得にはUGの有効性がなく、第一言語の転移(transfer)が随所に現れるという仮説は支持されず、UGは成人の文法にも機能している可能性が提起される。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-07-07