日本語受動文の獲得 : 産出・理解実験および自然発話による研究
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概要
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本研究では、Borer and Wexler(1987)の提案する「成熟仮説」を日本語受動文 (直接および間接受動文) を取り上げ検討した。「成熟仮説」は、A連鎖を含む直接受動文の方が含まない間接受動文より獲得が遅いと予測する。しかし、本研究で行った発話に関する実験I、理解に関する実験IIおよび実験IIIでも、公刊された自然発話資料から整理したデータでも、この予測に反して、直接受動文の方が間接受動文より獲得が早いことが明らかとなった。これらの結果に基づき、B&Wの「成熟仮説」をそのままの形で維持することはむずかしい。また、日本語受動文の構造のより精密な研究が必要であることを指摘した。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-11-17
著者
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