遠隔講義における学習者インタフェースの改善とその評価
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概要
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通常のテレビ会議システムでは,情報提示装置としてモニタテレビが使われる.遠隔講義にこのモニタテレビをそのまま使う場合,受講者は,黒板に比べて狭い視野の画面を長時間見続けることになる.これは疲れや眠気の原因になり,学習意欲にも影響を与える.これを改善する方法として,モニタテレビにカラー電子ボードを併置した新しい統合提示環境を提案する.この提示環境は,視野(画角)を拡大し臨場感を高める,学習情報を動画像提示系(モニタテレビ)と文字・図形提示系(電子ボード)に分離し,かつ両者の同期をとった講義ができる,ボードへの書込みができ,情報共有が可能,電子ファイリング機能により情報の蓄積・提示ができ,質問に対する迅速な回答が可能,などの特徴がある.この提示環境により遠隔講義を実施した結果,従来のテレビ会議システムによる講義に比べて臨場感があり,印象評価が高いことを示す.また,電子ボードに提示する最適な文字の大きさおよび行間隔を測定し,その値を明らかにする.更に,受講者の着座位置と文字認識率および10代から50代までの年齢層と文字認識率との関係を明らかにする.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-03-25