狭帯域ガウス雑音のゼロクロス点数の分散の性質
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概要
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正弦波に雑音が加わったとき,一定時間のゼロクロス点数がいかに変化するかについて調べることは雑音理論の観点から興味深いことであり,また周波数測定の精度に関する一つの重要な要因となるので意義のあることである.正弦波に正規雑音が加わったとき,一定時間内のゼロクロス点数の期待値に関しては,1948年にS.O.Riceによって研究がなされているが,その分散についてはいまだに研究が行われていない.本論文では,十分長時間の間のゼロクロス点数の分散の公式を導いた.しかし,残念ながらこの公式の中に現れる更新関数が多重積分を含む複雑な表現となり,事実上数値的な計算が不可能である.そこで正弦波を,その振幅と位相が確率変数であるような正弦波過程で置き換えて,分散の公式を導いた.本研究では正弦波を正弦波過程で置き換えて,これに狭帯域の正規雑音が加わったときのゼロクロス点数の分散の特性を数値的に調べた.2種類のスペクトルをもつ雑音の電力を一定に保って帯域幅を変化させた結果,帯域幅のかなり広範囲にわたって分散が帯域幅に比例していることがわかった.最後に狭い帯域幅に対しゼロクロス点数の分散が帯域幅に比例する性質を理論的に導いた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-08-25
著者
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