容量重畳法によるマイクロストリップ状多数導体のインピーダンス
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概要
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本論文では, 拙著のストリップ状導体相互間容量の近似算定式と電気影像法と導体系の重ねの理の考え方を用い, 任意の電圧分布を有するマイクロストリップ状多数導体のインピーダンスを, 従来の数値解析手法よりはるかに容易に算出できる新しい簡易計算方法を提示する. 本論文で考えるストリップ状導体のインピーダンスは包括的なものであり, 伝送線路でよく定義される固有モードにおける特性インピーダンスは, 本手法で得られる対接地インピーダンスのうちの特別な電圧分布における解である. この方法は, 相互間容量の重合せにより計算がなされるため, 今後便宜的に容量重畳法と称することとする. 容量重畳法はモデルの要素化を必要としないため, 計算に要する労力は極めて少なく, 従来の数値計算法では困難であったマイクロストリップ状多数導体の対接地インピーダンスを非常に簡単に求めることができる. このため, マイクロ波回路や集積回路内部のシミュレーションによる最適化回路設計などの応用において, 極めて有効であると考えられる. また, 計算手順は非常に簡単であるため, その速度は高速であり, 広範囲で高精度な計算ができる利点を有する. 本論文では, この容量重畳法を用い種々のマイクロストリップ状多数導体の同相電圧及び逆相電圧分布の対接地インピーダンスの計算例を示し, 有限要素法による数値解析結果と比較している. この容量重畳法による計算結果は導体数が少なく, 有限要素法で計算が可能な範囲においては, 両者はよく一致することが確認され, しかも, 有限要素法では計算実行上扱うことができなかった導体数を有するマイクロストリップ状多数導体のモデルでもその限界をはるかに超越して計算が可能である. また, この方法は単純な単独導体のマイクロストリップから多層マイクロストリップ状導体をすべて同一の計算方法で包括できる簡単かつ汎用性の高い手法である.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-02-25
著者
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