ファラデー素子を用いた光双安定特性の理論解析
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概要
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光双安定素子の2値信号処理特性より,光記録等ばかりでなく,許容値判定を行う光センシング素子への光双安定素子の適用も有効である.この場合に,光双安定素子としてフアラデー効果を有する非線形媒体で構成すると,従来とは異なる幾つかの特徴が得られることを筆者は先に示した.これらの特徴は外部磁界により偏光方向を制御することで,多重干渉が光路長の変動に伴う位相ばかりでなく,偏光方向によっても制御できることにある.本論文は,媒体内での吸収光量を変数として,入射光量の減少条件のほか,透過,反射光量の変動を理論的に解析し,双安定動作,およびしきい値のパラメータ依存性等を求めた.そして,外部磁界制御の結果として,双安定動作特性の制御,低しきい値の実現,しきい値での不連続変化光量比(2値信号処理でのon-off光量比)の増大,等を実現できることを示す.これにより,ファラデー効果の光双安定素子への導入は,光素子への有効・有益な適用を図りうることが知れる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-10-25