シリコンテクノロジの展望
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概要
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市場規模が15年で10倍のペースで順調に成長している半導体産業もその技術的内部事情を見ると楽観できない.本論文では, LSIの性能を決める基本要素であるMOSトランジスタ, 配線, 消費電力の3点と, 微細加工技術の要であるリソグラフィを取り上げた.トランジスタは0.05μm, 場合によっては最終的には0.02μm程度までシリコンMOSが動作しそうであるが, 揺らぎ, 配線, 消費電力などの制約からトレンドどおりの大規模集積は期待しにくく, 原理的ブレークスルーがほしい.近未来的最大課題は, リソグラフィ危機と呼ばれる0.1μm前後以降の微細パターン形成技術である.半導体産業の発展を第一義的に左右するのがリソグラフィである以上, あらゆる可能性を追及すべきであり, その高度化への投資は最優先したい.システムのワンチップ化, SOC(System On a Chip)への期待が高まっており, テクノロジドライバとなり得るほどのインパクトはありそうである.今後のシリコンテクノロジにおける開発トレンドは, リソグラフィの高度化の成功を前提に, システム設計技術の自動化と総合的電力効率向上への飽くなき追及であろう.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-06-25