高分子電解質の希薄溶液物性としてのDNA凝縮転移
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概要
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本論文では, 単一DNA分子鎖の凝縮転移(コイル-グロビュール転移)について焦点をあてて議論する.Fe^<3+>イオンとスペルミジンが誘起するT4DNA単一鎖の凝縮転移を, 蛍光顕微鏡下で直接観察した結果, 転移様式が溶液のイオン環境によって大きく異なることが見い出された.転移様式は, 分子鎖全域に渡るall-or-none的な転移と単一高分子鎖上に膨潤相と凝縮相とが共存する分子内相分離構造をとる経路に分類される.また電気泳動移動度と高次構造変化の解析から, 凝縮状態においてはDNAリン酸基の負電荷が完全に中和されることが判明した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-05-05