結晶系可逆性感熱記録材料の書き換え記録メカニズム
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概要
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ベヘン酸と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体からなる可逆性感熱記録材料に,チオジプロピオン酸を加えることで,20℃の透明化温度幅が得られた。この材料について,透明-白濁現象と透明化温度幅の拡大のメカニズムについて検討した結果,以下のことが分かった。1)透明状態と白濁状態の差異はドメイン内の結晶のサイズに起因する。2)ドメイン内の結晶サイズを決定するのは,ベヘン酸融液の構造の有無であり,融点の直上に融液構造は存在する。3)チオジプロピオン酸の存在で,ベヘン酸が融液構造を有する温度領域が拡大され,透明化温度幅が拡大された。
- 1993-09-16