発話の時間構造知覚における視聴覚の情報統合 : 聴覚刺激を劣化させた場合
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概要
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発話の口唇運動とその音声に対する時間構造知覚において, 聴覚情報の優位性が報告されているので, 本報告では視覚情報の影響を顕著化させるため, 聴覚刺激を劣化させた条件で弁別実験を行った.聴覚単独提示される場合は, 劣化により弁別成績が低下したが, 視覚単独提示のものよりも高かった.視聴覚提示では, 聴覚刺激が弁別に有効な手がかりを与える場合, 視覚刺激の内容に関わらず成績は低下したが, 知覚的な重み付けの推定値に変化は見られなかった.聴覚刺激が弁別にとって干渉的に働く場合は, 劣化により干渉量が小さくなり, 聴覚に対する知覚的な重み付けの推定値は減少した.聴覚情報の劣化に対する頑健性と, 聴覚情報の影響力の大きさが再確認された.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-03-09
著者
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津崎 実
ATR 人間情報通信研究所
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高野 佐代子
Atr Human Information Processing Laboratories
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加藤 宏明
国際電気通信基礎技術研究所
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高野 佐代子
ATR 人間情報通信研究所第1研究室
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