統語的あいまい性の解消と韻律的要素との関係 : 日本語・韓国語・モンゴル語・トルコ語の対照分析
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概要
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日本語, 韓国語, トルコ語, モンゴル語は相互にきわめて類似した統語構造を持っているが, 統語的あいまい性も類似の構造に並行的に生起する.本報告では, あいまい性を解消するために, それぞれの母語話者は韻律的な要素をどのように制御しているのかを分析した.その結果, 日本語の東京方言では統語的あいまい文の生成にポーズや持続時間の伸長といった手段は使わず, 句頭でのピッチの立ち上がりが特徴的であるのに対して、韓国語のソウル方言とモンゴル語ではあいまい性をさけるためには統語境界直前で持続時間の伸長を手掛かりとしている.また, トルコ語で特徴的なのは境界前の音節の持続時間の伸長及び長いポーズが入ると同時にピッチが上昇することが分かった.
- 1998-06-12