人間の音声知覚への調音情報の役割 : 子音生成知覚への一概念
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概要
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音声知覚の究極は言語通報の理解であり, 音韻列の再現にあるのではない.しかし, 調音過程の再現機能との密接な関係を主張する音声基礎科学においてさえ, 音韻列生成と知覚の本質的物理量が何であるのか長年の懸案問題である.その打開策として, これまで, 音声知覚に対し, 調音動作及びその知覚機構の数理モデルの重大な役割を提言してきている.それは万人共通かつ生成音響パワーにも依存しない冗長性をもつ基本調音動作の優位性に基づいている.これらの処理プロセスは脳内声道モデルを核とする新たな積分変換(知覚)とその逆過程(生成)で数理モデル化される.本論文では, 音響信号的には隠れる極低レベルパワーの摩擦あるいは乱流性の子音生成と知覚過程にも基本調音動作の再現が重要な役割を演ずることについて論ずる.
- 2000-10-20