EA2000-21 国技館の電気音響設備リニューアル
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概要
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会館当時の拡声は一般放送の明瞭度を重視して設計された。今回のリニューアルではそれに加えて、相撲の迫力と臨場感をどこの席でも楽しめるように求められた。そこで、土俵上の力士や行司の音声を見えている土俵方向から自然に聞えるような拡声、すなわち視覚と聴覚の一致感が得られる拡声を目指した。具体的には、屋形上方に音像定位用スピーカクラスタ(3種類、12セット)、バルコニ下席補助スピーカ28台、一階ボックス席用スピーカ74台、二階席補助スピーカ28台を設置、音質、拡声レベル、音響ディレーを調整して所定の拡声品質を得る。この設備改修により、音響がどのように改善されるかを知り、また施主の理解を得るためにフォトモンタージュと音場シミュレーションを併用した試聴を行った。拡声設備の性能は設計時のみならず、使用するマイクロホン、スピーカ、パワーアンプ、ケーブルなどの選択、施工後の音響調整によっても変わる。最終の音響調整ではイベントを熟知したオペレータとの共同作業によって満足ゆく結果を得た。改修前後の音響測定により、音圧分布偏差、RASTI, STIの改善を確認した。観客の歓声があるなかで拡声音声の品質をどのような物理指標で評価することが可能か、という点は今後の研究課題である。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-06-23
著者
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是永 雄二
鹿島建設(株)
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竹内 松巳
松下通信工業(株)
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竹内 松巳
松下通信工業
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竹内 松巳
松下通信工業(株)avシステム事業部
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是永 雄二
鹿島建設(株)設計エンジニアリング総事業本部設備設計部
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竹内 松巳
松下通信工業(株)avシステム事業部設備avc技術部
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