16QAM における両方向等化を適用した内挿型簡略化判定帰還型等化器の選択性フェージング補償特性
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概要
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陸上移動通信において,高速ディジタル伝送を実現する場合に問題となる周波数選択性フェージングは判定帰還型等化器によって有効に補償できる.しかし,等化器の演算処理は伝送速度の2乗に比例して増加するため,数百kbit/s程度の高速伝送を実現するには演算処理の削減が重要な問題となる.また,判定帰還型等化器を適用する変調方式は,GMSKやQPSKなどが中心で,周波数の利用効率に優れた16QAMについては補償特性の劣化が大きいためほとんど適用されていない.そこで,本論文では演算量を大幅に低減できる内挿型簡略化DFEを16QAM/TDMAに適用し,更に多値化による補償特性の劣化を両方向等化と空間ダイバーシチを用いることによって改善する方式を提案し,計算機シミュレーションによってその有効性を検討した.その結果,提案方式は,従来DFEに比べ演算処理を約1/4に低減でき,ダイバーシチを適用しない内挿型簡略化DFEに比べてたかだか40%の演算量の増加でBER=10^<-2>において約6.0dB改善することができた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-06-25