携帯電話用変形伝送線路型アンテナの解析

概要

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我々は,これまで,変形伝送線路型アンテナによる移動体通信用アンテナやHF帯の通信用アンテナを開発し,良好な結果を得ている.変形伝送線路型アンテナは,アンテナ長が半波長の低姿勢な一種の伝送線路型アンテナであり,インピーダンス特性と利得特性の制御が比較的容易であるため,利用目的に応じて変形し,所望な特性を選択できるという利点がある.ここでは,携帯電話用アンテナの開発を目的として,この変形伝送線路型アンテナを筐体上に取り付けた携帯電話用変形伝送線路型アンテナを提案し,これをワイヤグリッド法により解析した.その結果,インピーダンス,利得および指向特性等が携帯電話用アンテナとして満足すべき特性が得られたので,その基本的な特性について報告する.更に,このアンテナの場合,筐体の長さが100〜160mmの範囲ではアンテナ特性に与える影響は比較的少なく,アンテナの設計や筐体の小型化に役に立つ資料を得たが,これらの結果と測定結果との比較から本解法の有効性を確かめた.最後に,現在よく利用されている折り畳み式の携帯電話機の筐体に本変形伝送線路型アンテナを取り付けた場合について解析し,運用時での開き角度に対する特性に顕著な変化が生じないことも示した.
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-09-25

携帯電話用変形伝送線路型アンテナの解析

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