高分解能地球観測における時間遅延積分による SN 比改善効果の検討
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概要
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地球表面の精密な画像撮像を行う光学観測システムは,近年急速な進展を見せているが,高分解能化の進展と共に,信号対雑音比(SN比)の向上が最も重要な課題となっている.複数のCCD出力信号を加算合成する時間遅延積分方式は光学系の口径を増加させずにSN比を向上させる優れた方式である.しかし,現実には衛星の姿勢変動あるいは塔載機器からのじょう乱等があり,時間遅延積分によるS / N改善比は理想的な値より小さい値となる.本論文は衛星姿勢変動あるいは塔載機器からのじょう乱等が存在する状況にて,時間遅延積分を行うときの変動の影響を解析し,最適な積分回数およびS / N改善比を明らかにする.また,所要のSN比を得るための衛星および塔載機器への条件を示す.更に,このような変動が存在する際にもSN比を向上させる方策を検討し,変動量を検出して各CCD出力のデータを補正した後,合成することによりS / N限界値を改善可能であることを述べる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-06-25