マイクロストリップアンテナの等価電磁流と放射抵抗
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概要
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本論文は, 厚い基板のMSA(マイクロストリップアンテナ)の放射特性について考察し, 放射抵抗とQに対し, 設計に役立つ計算式を導いた。従来MSAの放射界の計算は, 電流と磁流のどちらを用いてもよいと考えられたが, 基板厚が無視できないとき両者を等価にするには, 新たに定義した表面電流比を用いて, 磁流モデルの補正が必要なことを示した。更に厚い基板のMSAに対しては, 伝送線路の両端に負荷を接続したモデルを用い, 放射界の式を決定した。このモデルは, 放射抵抗と共振器損失を含み, 実際に近い電圧電流分布を与える。正方形MSAの放射抵抗については, 積分値との誤差が1%程度の近似式を得た。本論文による計算結果は, 多数のMSAの入力抵抗実測値と非常によく一致した。本論の伝送線路モデルは, マイクロストリップ線路の放射解析に応用できる。そこで簡単な給電線路の計算例を示し, 放射特性と線路長との関係を述べた。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-01-25