低緯度ダクト出口のホイスラ波動法線分布特性
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概要
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低緯度ホイスラの方探観測によれば,VLFホイスラは観測点の上空,天頂付近の限られた領域から到来し,ダクト伝搬の特性を示すと共にその電離層出口には種々の形態変化が観測された.電離層不規則性による沿磁力線ダクトから地上へ放射される,VLF電波の電離層透過特性を計算するとき,また,地上でのVLF方探観測の結果を検討するとき,ダクト出口の電波の波動法線の分布特性は重要である.本論文では,ダクト出口におけるVLFホイスラの波動法線分布,すなわちVLFホイスラがダクト出口の各部位においてどのような波動法線をもつかを,低緯度を想定したダクト伝搬モデルを用いて2次元レイトレーシングにより計算し,その特性を調べた.その結果,ダクト出口には,上方および下方向きの二種類の波動法線分布が生じることを示し,二種類の分布の発生原因をダクト伝搬理論によって定性的に明らかにした.また,ダクト出口の波動法線分布の諸特性の要因について検討した.特に下方向きの波動法線分布においては,ダクト中において加わる電離層鉛直こう配の効果により,ダクトの中心部に,波動法線がほとんど鉛直下方を向く領域が生じ,ホイスラの地上への透過に寄与する.
- 1995-07-25