衛星ビジネスの将来-最新の通信技術 : UWBとソフトウェア無線通信
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概要
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衛星通信はこれまで多くの新規理論や技術を実験的にその実用性を確認し、民生地上通信へその成果が反映されてきた。しかし、現在は衛星通信ビジネスと取り巻く環境は厳しくなっていると言われている。小文では、衛星通信の将来に影響を与える2つの最先端情報通信技術として、ソフトウェア無線(software Defined or Reconfigurable Radio;SDR)と超広帯域無線(ultra Wideband:UWB)について解説する。その目的は、SDRが衛星のシステムコンフィギュレーションを地上からのソフトウェアアップロードにより変更(reconfigure)し、マルチモードサービス、リモートメインテナンスなどする事により,衛星の有効利用や故障診断・保守などの面での問題を解決する技術として有効と考えられるからである。一方、UWBはImpulse Radioとも呼ばれ、搬送波を用いず、パルス列で情報を伝送する技術であり、100Mb/s以上の超高速無線伝送や測距測位などの長所があり衛星内、衛星間通信制御などにも有効であるが、周波数共用するシステムに与える干渉、特に衛星通信、電波天文などへの干渉が問題となる可能性があるからである。最新のデバイス技術、RF技術、信号処理技術などを駆使することで、その利点を活かすに値する時が来たと言えよう。今後の研究開発に相応しい話題提供を行うことにより研究会の活性化に貢献したい。
- 2003-01-10