光ファイバケーブルによる誘導ブリルアン散乱抑制方法に関する基礎検討
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概要
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光ファイバに対する大入力化を阻む主要因として,誘導ブリルアン散乱(SBS)の発生による入力の飽和が挙げられる.本論文では,SBSの発生を抑制する手段として,光ファイバケーブルの構造により光ファイバの長手方向に対し周期的なひずみ分布を与え,光ファイバのブリルアン利得帯域幅を拡大する方法,ファイバコア部へのドーパント量の異なるファイバを接続し,ブリルアン利得スペクトルを周波数シフトさせる方法,および両者を複合した方法に対し理論検討を加え,実験によりその検証を行っている.本論文で述べるケーブルでは,2重らせん構造をとることにより,最大ひずみ振幅0.4%,周期600mm程度の正弦状のひずみ分布をファイバ心線に与えている.この結果,ブリルアン利得帯域幅を約400MHzまで拡大することができた.また各ファイバ間に最大4.4%のドーパント濃度の差を与えることにより,580MHzの周波数差をもたせている.帯域幅を拡大し,また帯域をシフトさせた光ファイバを接続することにより,CW光入射パワー+17.4dBmまでSBSを抑制できることを確認した.本方法はSBS抑制に対し有効かつ実用的であるとの見通しを得た.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-12-25
著者
-
吉澤 信幸
Nttフィールドシステム研究センタ
-
谷藤 忠敏
NTTフィールドシステム研究開発センタ
-
今井 健之
Nttフィールドシステム研究センタ
-
谷藤 忠敏
Nttフィールドシステム研究センタ
-
谷藤 忠敏
Nttフィールドシステム R&dセンタ
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