複数品質クラスの存在を考慮した ATM 呼受付制御方式
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概要
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ATM(非同期転送モード)網へは,低速データ信号から高速動画像信号まで,要求転送品質の異なるさまざまな呼が加わる.従ってこれらの呼に対して網内リソースをいかに割り当てて,呼の受付可否を判定するかが重要な問題である.本論文では,あらかじめシミュレーションによって得られた,各品質クラスにおける重畳情報信号の必要帯域と平均速度の比の値に関するテーブルデータに基づく呼受付制御方式を提案する.本方式は,ユーザの申告結果や交換機側での測定結果に基づいて,各品質クラスにおける重畳情報信号の平均速度やバースト性が明確にわかり,しかもその値の範囲が予測できるようなサービスを前提としている.また本方式は,従来提案されている一つのサービス品質クラス制御方式を前提としている.本呼受付制御方式の特徴は,以下のとおりである.(1)テーブル検索処理量がわずかであり,アルゴリズムも簡単なので,呼接続の実時間処理に適している.(2)一部の従来方式よりもテーブル量が小さく,きめ細かくデータを用意することができるので,制御精度が向上する.(3)品質クラス数の増加に対しても,容易に拡張できる.(4)一部の従来方式同様,各品質クラス間の統計的多重化効果を考慮した制御が可能である.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-06-25