マルチメディア著作権処理の実現へ向けて
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概要
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文化の発展に大きな貢献を果たしてきた複写や記録再生などの技術は、著作物の利用を拡大してきたが、その目覚ましい働きと普及の影響の一方で、複製に伴うべき権利への報酬処理の仕組については、技術の対応に不十分の感を否めない。技術的には簡単そうで、問題は関係者間のコンセンサスとそれに基づいて策定される技術仕様の問題であるとの見方がある。適度な暗号化を施せば契約や支払のための情報とコンテンツは保護される。一方、権利の所在と内容の連鎖関係などの複雑化する状況からは、その処理を実現する(標準化し電子化し、自動化する)ことは実際には大変困難なことと見る向きも多い。本論はかかる視点からマルチメディアの権利処理の実現へ向けて基礎検討を進めてきた経過の報告である。結論として著作物の権利と提供の際の利用契約条件の情報とその伝達方法を定義し、さらに利用条件について提供者と利用者間に意志を翻訳する機能を導入することにより、マルチメディア著作物の利用が合意条件のもとに行われる仕組みを描いた。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-02-20