聴覚ディスプレイの動作遅れ時間が音像知覚に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
聴覚ディスプレイシステムを用いて音源位置の知覚を制御する場合,頭部運動などによって生じる両耳信号の動的変化を模擬する必要がある.この際,模擬音像は頭部運動に対し相対的に移動することになるが,音像移動速度と音像定位の関係については,未だ検討がなされていない.そこで本報告では,頭部運動に応じた模擬音像移動において遅延を設けた刺激音を用い,模擬音像の移動速度と音像定位の関係について考察を行った.一対比較法を用いた実験的検討を行った結果,検知限はおよそ80〜90msであることがわかった.またこの値とMAMA(最小可聴運動角度)を比較した結果,被験者自身が頭部を動かす場合,聴覚が抑制される可能性が示唆された.さらに聴取実験中の頭部の運動パターン及び水平角方向に運動中の角速度分布を調べた結果,遅延が大きくなるにつれて,頭部がほぼ静止している時間が長くなることが明らかになった.
- 2001-03-22
著者
関連論文
- 親密度と音韻バランスを考慮した単語了解度試験用リストの構築
- 聴覚ディスプレイの動作遅れ時間が音像知覚に及ぼす影響
- 頭部運動に対する音像移動遅延の検知限と弁別閾
- 聴覚ディスプレイにおける音像の移動遅れの検知と頭部運動
- EA2000-27 仮想音源における定位遅延の弁別閾と頭部運動速度に関する考察
- 音像定位に頭部運動が及ぼす影響に関する考察