[招待論文]痴呆性高齢者の俳徊行動に関する心理学的研究(「空間に広がるインタフェース」及びヒューマン情報処理一般)
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概要
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痴呆性高齢者の徘徊行動をコントロールし得るか否かを実験的に確かめた.被験者は実験群として痴呆症で徘徊症状のある男女4名、対照群は痴呆症ではあるが徘徊症状のない男女4名、計8名だった。全員に「歩数計」を装着し、徘徊(歩行)距離をパラメーターとした。結果は以下のとおりである。(1)徘徊者(実験群)は漫然と歩行するのではなく、固有の目的を目指して歩行(徘徊)していた。(2)ただしその「目的」はすべて実在していなかったが、徘徊者は実在すると信じており、結果としてそれを目指した一日の総歩行距離は平均12.1km (対照群の約12倍)となった。(3)これらの徘徊は、他者の介入(話しかけ)などによって20分間以上中断された。すなわち、徘徊行動は他者の関与によってコントロールできることが明らかになった。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-05-02