事象関連脳電位を用いた顔認識過程の検討
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概要
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本報告では、事象関連脳電位(ERP)を用い、ある顔の反復提示によって作られた文脈から、表情が逸脱する顔・人物が逸脱する顔・モノなどを低頻度刺激として提示するオッドボールパラダイムにおいて, 顔とモノの弁別, 表情弁別, 人物弁別の処理の流れを検証するとともに, その処理の流れは, 表情逸脱刺激・人物逸脱刺激・モノのそれぞれを検出させる課題において変化するのかを検討した.P3成分の振る舞いから、顔とモノとの弁別は課題に関わらない処理であり, 常に顔刺激間の弁別によりも速やかに行われることが示された.一方, 表情弁別と人物弁別は並列に処理され, 課題に関係する情報の処理により注意が向けられるような経済的な処理方略がとられることが示された.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-10-11