動く顔図版に対する原初的コミュニケーションの発生的機序
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概要
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動く顔図版に対する早期乳児の知覚行動を探求するため、胎齢24から36週で生まれた早産未熟児32名と(実験時の修正胎齢は33〜44周)と正期産新生児18名を対象に、「人らしい」顔図版(正顔、目顔)と、「人らしくない」顔図版(乱顔、輪郭顔)の中で、舌出しが最長で静止したままの条件の後、舌の出入のある動作条件を呈して、注視時間、舌出し模倣、微笑を分析した。その結果、多くの早産未熟児は正期産新生児よりも諸測度の遂行が高く、正顔、目顔、乱顔を輪郭顔よりも長く注視し多く模倣し、視覚ー触運動間の協応が子宮外経験の間に生じることが示唆された。しかしながら正期産新生児や、同じ在胎週数で生まれた者の中でも実験的に最年少の早産未熟児が顔への選好を示したことは、これらの知覚行動が原初的コミュニケーション、あるいは種の再認として生起することを示唆した。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-10-11
著者
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