顔の認知における全体処理と表面処理
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
顔の認知の特徴的な点として, (1)全体処理と表面処理への依存度が高い点と, (2)高度に熟達化した処理過程である点があげられる.倒立提示は全体処理を, ネガ提示は表面処理をそれぞれ選択的に妨げること, 全体処理は熟達依存であることが既に知られている.実験1では, ネガ提示も倒立提示と同様に全体処理を選択的に妨害するかどうかを調べたところ, ネガ提示は要素処理と全体処理を等しく妨げることが明らかになった.実験2では, 表面処理と熟達化との関係を検討するために, 人種間でネガ効果の大きさを比較したところ, 自人種の顔の認識の方がネガ効果が大きいという結果を示した.これらの結果は, 顔の認識を特徴づける全体処理と表面処理の独立性を示すとともに, 両者がそれぞれ経験により形成されることを示唆する結果といえる.
- 1998-10-11
著者
関連論文
- 種の絵画評価と前頭葉活動の半球非対称性について : 事象関連電位を用いた検討(日本基礎心理学会第24回大会,大会発表要旨)
- 顔の認知における全体処理と表面処理
- 絵画評価の研究 : 美的評価はカテゴリーになり得るか(日本基礎心理学会第23回大会,大会発表要旨)